「世界の果ての果てまで硝子で出来ている」(彼)が嘯いた地平線の彼方には氷結した蜃気楼が拡がって、淫らな猟奇殺人の色彩すら、何処か柔らかな揺らめきを湛えていた。 ――終わらない夏の白昼夢を映しだすガラスは、次第に焦熱を帯びて、凡てを焼き尽くしてし…
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