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haiirosan's diary

散文とか

7月4日 ゆめにっき

 以下、7月4日午前4時頃から夢で見た景色であるはずだが、今私がボンヤリとキーボードを打ちつけているこの瞬間もまた、現実に肉迫した夢の中である可能性も否めない。醒めない酔い醒めない眠り覚めない脳……。

(場面1)全てがミントグリーンに染まった、銀座に非常によく似た街。緑色の空には雲一つ無いにも関わらず、太陽は見えない。立並ぶビルに光は無く、歩行者天国に立てられた無数のパラソルは切り刻まれて、雨後の案山子のように哀しげにうな垂れていた。

 その街の高架下で、私と某有名女優に酷似した女性、そして中肉中背の三十代と思われる男は冷たいアスファルトの上で寝そべっていた。見上げると今にも私達を押しつぶしにかかりそうな気配を感じさせる、時折細かなコンクリート片を落とす無機質な灰色のハイウェイと、思いだしたように飛び交う鴉の群れ。季節は不明だが、男は半袖半ズボンという服装であった為、冬以外であると思われる。

 人影も車通りも一切無く、静寂のみが不穏に漂う。孤独と寂寞感に満ちた場所、その中で私の隣に横たわる男は、彼の右隣の女の太腿を一心不乱にさすり続けていた。彼女の白く美しいシルエットを柔らかに包む、紅い薔薇の刺繍を施された黒いワンピース。そこにゴツゴツとした彼の無慈悲な掌が無軌道に触れるが、彼女は何の反応も示さない。

(場面2)小学校の校庭、私は大人数の中でサッカー?をしていたが、その中の大多数が黒い血を吐いて急に悶え苦しみ始めた。異常のない私を含めた何人かは慌てて校舎に逃げ込む。何故か下駄箱に幾つかライフル銃が立てかけてあったので、私はそれを手に入れたが、他の人間はそれに目もくれずに階段を上って行った。彼らの跡を追って、逃げ込んだ教室に辿りついたが、そこには誰もいなかった。

(場面3)場面1の三人を含めた六人は、深い深いフィルムグレインが施された薄暗い建物の中、無限に続くかのような階段を駆け下りてゆく。階段途中には何処かに続くと思われる赤錆びたドアが幾つかあったが、それらのドアは「絶対に」開けてはいけないような気がした。そしてその思いは他の五人にも共通しているように感じられた。だが、下って行く最中で、何処からともなく現れた黒い影や、全身から出血をしている赤い瞳と灰色の肌の人間?が仲間をドアの向こうに連れ去ってゆく。

 やがて最下層に辿りついた時には私と十代前半と思われる少年しか残っていなかった。真新しいドアを開くと、そこは安い民宿のような一室になっていた。青いカーテンに覆われた2m程の二枚窓、畳の上には銃弾が6発込められたライフル。カーテンを少しばかり開けて外を覗くと、何故か高級ホテルの廊下のようになっていたが、其処に敷き詰められている紅いカーペットの上を歩く、灰色の肌の人間の後ろ姿が見えた。

 私はどうすべきかライフル銃を凝視しながら考えたが、何も思いつかない。少年は無言のままである。やがて、無数の手が窓を打ちつけはじめ、さらに、如何にも脆そうな壁も何者かが叩き壊そうとしはじめていた。揺れる部屋、次第に大きくなる不穏な音。

 少年は思い立ったかのように窓を開け、外に飛び出していった。彼の姿を見届ける余裕も無く、私は止むを得ずもと来たドアを開け、薄暗い建物に入る。再びフィルムグレインに包まれる視界、何かが二つの光に目がけて進んでくる。私を見る私、私は紅い眼をしている、私は灰色の人間をライフルで撃ち殺す、私の視界は赤黒くなってゆく、私のライフルは箒だとヴァンパイアのような男が言い、傍らの女は下卑た笑みを浮かべてる。

 私は階段を上り、「絶対に」開けてはいけない気がするドアの一つを開けた。