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haiirosan's diary

散文とか

睡魔草の泥酔、死霊草は「ほとけぐさ」と読む

……焼酎、しょうちゅう、ショーチュー…Si…tyu……ビーフシチュー、杏露酒

 ねこぢるが自ら作品内でアル中の父親に関して、僅かながらではあるがキャラクターを通して彼について語るシーンを読み進めると共に、薄暮の夕景と共に彼女はクライクライ影を居間に落としていた。

 睡魔草による、たった四時間の浅い下流の如き眠りの中、死霊草は心無き「赫い」学生団体によって無慈悲に燃やされ、それはラガービールの苦みを甘味に還るほどに甘美な陽炎と化していた。

 叩き割るビール瓶、くたばれクソッタレ共と喚く、チェーンのしがらみ糞餓鬼共たむろう、老衰しそうな立ち飲み屋午前二時。河出書房・アップルパイの午後、アップルパイノゴゴ、凛瑚杯の呉檎とリピートする内にどうやら翠氏の記憶は盗んだバイクと尾崎の壊れた冷凍庫と共に脆くも溶けてゆき、此処はまだ残暑残る十月の頭だということを改め認識するのね。だが、それにしても自宅近くにうざったく停められている赤錆びた自転車は、未だに持ち主が現れる気配もなく、唯其処に佇んだまま、今日という日が寂しく暮れていく。

 夕暮、台風一過の午後五時。蒼い青い学生の屯するコンビニエンス・ストアですら、紫色の夕景が穏やかに、そして慈悲深く包み込む風景。

 僕の真横でバタフライ・ナイフを弄る「彼」を咎めることはせず、いや出来るわけが無いと云った方がここでは正しいのであろう。珍しく低価格な調理用イタリア産・ホールトマトの赤美しさをこれ以上陰鬱な紅に染めたら誰がハッピーか、いや誰も幸福じゃないね。僕のナポリ・スパゲテゐ、和風気どりのチェーン・ten・ソウでチックチックBoomってそれがハッピーターンの織り成すドラッギーな成分・性分に関係なく、僕は訳の分からない曲を作っていた。バックトラックにキムタクの猿真似を執拗に繰り返す中学2年生の声、そして、彼或いは彼らが金属の塊によって心臓を抉りだされる時に解き放った、思春期特有だの中二だのんなもん全て捻り潰したかのような、云わばイキルサイノウが尽きたかのような血生臭い断末魔。

 ラジオから流れるMC5『Star Ship』のサイケデリック・フィードバック・ノイズ。『永遠に太陽が輝く島がある。大気圏外の宇宙に、燃えあがる炎が……』

 中近東の音響系フレーズ、左手のみで刻むクレイマーのギターBring on Baby. Get Down,Get dron,音速の死、ソウルの死、きっと彼らの地獄は約束されたものだったと足元の蟻の大群は呟くが、それらは決してファッキン・ブルーカラー&WHITE COLOURもといデトロイト・アメリカ産ではないことを、最早誰も指摘する気力も無い。そう、シンクレアのエクレアは途方も無い辛味成分が隠された恐怖として仕込まれた、たった3年の幻の命だったのだ。

 だが、小さなステージ上でフレッド・ソニック・スミスが切り刻む、ノイジーでありながら何処か柔らかなトーンのリッケンの響きは、パティ・スミスのみならず、40年の月日が経った今も私の鼓膜を、埃にまみれた近代的スピーカーから震わせているのだ。

https://www.youtube.com/watch?v=xsU99weyY8Y

https://www.youtube.com/watch?v=7QgzYGFVPi4