haiirosan's diary

散文とか

真夜中/朝明けのバター

真夜中、独り奔るバイパス 煤けたコンバース 

湿気た煙草は握り潰した 咽喉を鳴らす黒猫は妖艶さ

歩道橋 見下す車道 ネオンとヘッドライト 虹色の情景

最果て 午前一時  斜陽気分 

鋼鉄の夜、肉体が砕ける 朱色の光景 は幻?

午前三時 魂 浮遊セリ 溶鉄せし夜、視界が滲む先 無色の憧憬

泥酔……午前六時 生ゴミ ゲロの水溜り 鴉は病む 

換気扇 吐く狼煙 鈍色の風景に消える

クソッタレな世界に朝が来る 明日も狂う――

 

https://www.youtube.com/watch?v=-Z_NvVMUcG8

 

――そう、人生はフライパンの上で溶けるバターみたいねって彼女は云った

二十四歳、ヘッドホン・チルドレン 漏れるLETDOWN 螺旋階段を降るアルペジオ

いつもの朝 「あの太陽を掴みたくなってしまった」と喚き、二十四階から軽やかに身を投げた

やや無情 それでも-5℃の鐘は鳴る、誰が為に焼いたパンケーキ テフロン フライパンの上で黒焦げたワルツを

弾けるステップ 外す音階 焼け落ちる歌 一階 アスファルト 木霊す悲鳴に喧騒 

蠅が集るシロップ TV newsからはハンドクラップ スクラップになる希望

これは或る月曜日の朝の甘く残酷な風景

溶けたバターはもう戻らない――