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haiirosan's diary

散文とか

「境界のない海、西瓜は秋に溺れるか?」

――彼女は農園の爆炎と無邪気な憎しみの中で生まれた。水分に満ちた少女、渇ききった人々の中で孤立するのはそう遅くは無かった。
私は彼女を「傍観者」として観ていた。枯れゆく百合、灰色の日常、都会の喧騒。
高層ビルのあまりに透き通った硝子越しに見える、終わりの風景。

October,ある日わたしが東経152で視た、アスファルトの上で午睡に浸る西瓜。
新宿東口、水槽に浸かる冷やし胡瓜やパイナップルのように、或いは縁日のヨーヨー釣りのように。
彼と云うべきか彼女と云うべきか、ざらついた地面で不安定に揺れる球体。
私の世界が揺らぐ、
思えば白線から数cmはみ出せば、極々少数の他者がマイナーコードが響く教会で偽りの哀しみに浸る。
水曜日、時を忘れた地下鉄の悲鳴と同様に、地上の白昼を赤に染めることはいとも簡単だと。
地球が踊る
水球で水死
配給は廃止
酎ハイでAlc.中毒
退廃する青年が好き
荒廃した女子が好きさ

棒読みの台詞、秋が暗転する頃に見えるであろう、私がワルツを踊るシルエット
暗幕に盲目の柴犬
牢獄に懲役刑の黒猫
猫は犬を求めないから永遠に独り舞台
メヌエット、台本通りにはいかないヒールの底とドレスの染み
それが人生、
嘲笑と冷淡、矛盾と意識に浸る豚ども
そして無意識の西瓜は目隠し少女AによってSadisticな夏の贄になったのさ。