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haiirosan's diary

散文とか

夕暮のような朝に私は死んだ。

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「夕暮の様な朝に私は死んだ」

 午前七時、針時計は鋼の髭をぴんと伸ばし、偽りのない時を告げる。

 彼は夢見る機械と夢を見ない機械が跋扈する現代社会に於いて、ハンバーガーショップの「写真の」緻密さ、13人の牛と豚とナニカ、十三枚の薄切りのトマトの殺意、壱拾参流こと台密教の神の如く偽りなく時を告げる、そう、いつも偽りなく。

 彼女の朝食は酷く簡素だ。珈琲、コーヒー、緑茶、Pennyroyal tea,青空エールクーリッシュ、Gin tonic.固形物は処刑に絞首、五つの平日の内、君が本当に吊るのはどれだい?嘲笑う猿どもが呟く頃に、僕らはシャツのボタンすら掛けることも出来なくなっていた。当たりも外れも無い、唯時折行方不明になるだけのプラスチック、僕らがだらしなくないことを示す最後の砦。

 そろそろ行くべきだ、半径138765以内の固形物はベースギターで叩き潰した。彼曰く鏡とbeerが恋人。白い恋人、恋は水色っていう曲を書いたらTOP10入りだから僕と君は「否定」の曲しか描けない。そしてFenderを弾けないから皆彼女から退いていった、それでいい、それが人生下らねえ。薬の詐称、空が亡くなった八月、リキッドルームは決して液状じゃない、何処にでもある灰色の空間。あの夜、或る夜、或る阿呆の一生に苦笑する空港の青い犬ども。台湾に行くはずの飛行機は行方不明、シンガポール着のあの旅客機も未だに消息不明、AM7:00発、僕らの魂は一体何処に辿りつくのだろうか。

 朝日に溶ける、人の形をした風船。一瞬の浮遊、夢幻の地獄は大陸にしか存在しないはずの畸形の猛禽類が教えてくれた。でもそれでも、天国の階段を登るような心地だったとインタビュアーに語っていた少年は今は刻まれたキャットフードに様変わりしている。まるで生々しいRUBBISHの日を間違えた某曜日の早朝のように。

 今日も夕暮のような朝だった。

 道行く人は皆、缶麦酒か酎ハイを手にしていた。

 赤マントに連れられた餓鬼どもは嬉々として集団下校していた。

 自転車が轢き潰されてもサイレンは聞こえなかった。

 井戸端会議は皆、喪服か白装束だった。

 買い物かごからはみ出すネギは腐りきっていた。

 僕のIPODの電池が早々に切れたから、早早と終わりにしようと思った。