haiirosan's diary

散文とか

鉄コンに壁ドン、カツ丼で合コン、コンビーフ美味い!

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 ――トカトントントカトントン、ドカドンドンキでニッカういすきーとポッカ珈琲を万引きおめぇのクソ度胸にブルセラ潰すブルドーザー。

 新宿四丁目、蟻の如く群れる客引きの黒服は実は宇宙人だったから、同級生の少年Aは天王星語なる珍言を連発した揚句、某九大病院で『ドグラマグラ』を読みながら、タクラマカン・ビールをのんびりと呑んでいるらしい。

 んで、昭和60s式の台所ではお袋が大根をマッハで刻んでいる。大根か蕪か株か株価大暴落で夫はℓ呑むスピリタスのWhisky割り、俺は純日本式味噌汁より家系ラーメンライスだ馬鹿野郎!と、とりあえず固め・濃いめで頼めば、暖簾の先には刺身包丁を構えたババアが佇んでる。隠れてねえぞ、その血塗れの割烹着。

 ほんで、ALWAYS三丁目のキャバレーで踊り狂う姉ちゃんにもっと酒持ってこい!もっとほっともっとのカツ丼喰いてえ!そんならよう、タイムスリップしなよお父ちゃん、ストリップばっか観てないで、と映画の節子にせっつかれる。飴缶はもう空っぽだっつうのに。

 逃げろ、Get Away,Shut Fuck up,片言えーごで話せばロリアニメ、片言英語で叫べば邦楽ロックポップスヒップホップ、BLACK FLAGのツアー中、Cadenaが持ち歩くDezノートに書く連中の名前、平仮名だから誰も殺せない、そう、誰も。

 ようやく二階建ローンも3000万円あるよぉおおおおおおおおおと半狂乱になる親父をコロンビアン・カルテルの如く全裸で引き摺り廻して強引に家の外に出す。

 やがて、家の中から巨神兵が張り手をキめる轟音が響きはじめる。MBVの如くエフェクターとアンプの山から噴火する音に親和性があるような、否、(女形)巨神兵※あだ名が町内でも中堅クラスの何の未来も夢も無い家庭内に君臨し、現在で云う所の壁ドンをかましていることが神話であるのだ。クリエイションが倒産?Alan McGeeが発狂?こっちは全世帯が倒壊・家庭崩壊の危機だ。

 そんな状況下だというのに近所の肥満体で禿のビビり症おっさんは、

「××部屋のかわいがりって気持ちよさそう」

「女形の花形はやっぱり早乙女クン」

「進撃はリヴよりライナやろ!」

 等と妄言をか細くぬかしているので、おっさんに延髄チョップをカマした後、現場に早速急行。

 事件は現場で起こっているんだ!青島刑事(既に懲戒免職済み)は、合コン会場の居酒屋の一室にて、折り重なったFランビッチのバラバラ死体の上で青島麦酒を呑みながらパラパラを踊っている。彼はどうやら脳が90sで思考停止しているらしい。

 蠅がたかり始めている惨殺死体と気が狂い始めているチンタオデカ、何か色目を使ってくるおっさんと俺。店内で永延と流れる時代遅れの姫TRANCE.

 この状況、どう考えても飛び回っている蠅の方がマシだと呟いていれば、壁ドンを終え、恐らく父親をぶっ殺したババアが現れ、らーめん二郎或いは某ワンピースの如く「ドン!」と丼を四つ、血と肉片の染みたテーブルに置いた。

 やけに冷めたカツ丼、ぱさぱさの飯、卵は凝固、肉は脂身しかないような雰囲気、イヤに自信に満ちたババアの顔、臓器や肉塊の色彩と臭気と狂人四人+αなこの状況じゃ俺も菜食主義者にならざるを得ないでんがな。

――沈黙に沈黙、羊たちは沈黙。45分の無言の空間を切り裂いたのは、意外にも俺が暴行拉致してきた、臆病者のおっさんのこれまた厭に明瞭且つ殺伐とした一言だった。

「この店イイ子いないわ、チェンジ」