haiirosan's diary

散文とか

Shattered Dusk

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瞼を閉じたさき 時計が刻む逆回転
4時の意味 4時は朱か朝明けか
理科室の人体模型は二重人格
開かずのトイレ 黄より赤を撰ぶ
気の触れた君
影が伸びる先 誰もいない駅
紙芝居の終り
仮面の下の能面のシタガキリトラレタ(33.411)

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鼈甲飴が溶ける十二月
週刊誌にはもう死亡者記事しかない
胡蝶の夢
奇形の揚羽
無形の蟲籠
逆さまの彼は笑っていて
逆さまの彼女は大事なものを溢した
僕は大切なものを忘れた
60階から飛び降りる刹那すら
快速に「飛び乗る」刹那すら
何も思い出さないような