haiirosan's diary

散文とか

冷凍庫と梅雨

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氷枕 枕草子を永遠と読み続ける老師に、僕は枕を高くして眠ることができない

不可 カフカ 不可侵条約 はばまいの漢字を忘れた

忘れたことにした6月 気づけば廻廊にて引き回しの刑 犬が引き摺るか 猫が引き摺るか それくらいは撰ばせてくれる

ドッグフードッグファイト ホットドッグの乾燥

砂漠の悲劇は梅雨がないからだ
蠱惑の君らに意味はない身体
曇天にどん詰まり 狼狽するサーカスの日々
瞳孔が開いたまま死ぬ夢をみる日々

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梅雨明けにサイレンが鳴れば 私は鴉を鳩と観間違える 読み違える
蛙が乾く 雨傘の骨折 紫陽花の渇きに誰もが知らんぷり
そして無表情で塩素剤を投げ込む彼女達
水の死 ミナソコの飛沫 シは音もたてず 視界にて楽しむ季節、と穴の空いたサンダルが嘯いていた