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haiirosan's diary

散文とか

IN THE FADE

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硝子の水辺、夏の幻影を催す真昼は、タクシーのフロントガラスにへばりつく緑雨を思い出させる。
雨のような影
晴れのように枯れる
笑い男の性別
ジャックダニエルの色
ジャックナイフの明滅
ジャックと豆の木は幻覚

誰もいない霊園内のタクシー 誰かを捜す霊園外のタクシー。 一蓮托生、死ぬときは皆地獄へ道連れだと云ったのは、架空の人物かそれとも

300枚の原稿。書かれていたのは白眼の鴉
黒と白 オセロ 天使と堕天使 彼の眼球忌憚
120000字で綴れる人生は、紙面の桃源に蜜柑をそっと置くようなものだ。そうライム色の瓶が囁く。

ビール券が焚書されていく。覗く影の彼は放火犯ではなく、焼け残りの数%を浚いにきたに違いない。
アルコールも紙も、火を通せば失われてしまうというのに。

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死を知るから彼女は紅く
死を視るから彼女は赤い
入り込む肉と魂、そこに意味はあるのか?
被写体の遺灰 斜線を引く日暮れの車窓
茜色は夜になっても咲き乱れ
人々は窓の外に世界の自由の終りを視る

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