haiirosan's diary

散文とか

The Sound Of Dyeing A Cocktail Tone 3

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『瓶詰地獄』、逆行する世界にカウントダウンは無く
3,1,2,123,2,3,1壱参弐
どんな順番でもAlc.5%が真実だからさ
兄妹の亡霊も、ユメノガテニシタ筆先モ囁ク
「私たちに何か問題が?」
嘯きも呟きも同意語だと薔薇色の口紅が呟く頃
凌辱の雨中に蝶が境界線を舞う頃
藍色の彼方に800年の幽玄が揺らめいた頃、
浴槽に浮かぶ死体だけが綺麗で
青ざめた唇が因果律を切り裂いた時
サンタ・マリア
12ダースのビスケット砕けて
13階で笑うDr.M
14階から円環構造に呑まれる救難信号
血の涙(だけが)流れるラストシーン
ルルドの祈祷 バスタブに溢れる壊血病
甲板でも船倉でも誰もいないふりをする
そう、誰も――

行方不明者に充ちたラウンジ
罪深きカクテルにバーカウンターが沈没する
母胎回帰を唱える陪審員に下された審判
断頭台が断ち切るのは、僕らの心だと
少女が放つ青い焔に素肌が燃える
少年が放つ黒猫に不吉が視える
焼け墜ちた皐月に救いがあるかと問えば
欠損した十字架に佇む鴉が啼く
羽のない巡礼者の影の囁きを
羽を焼かれた綿雲の叫びを掻き消すように……