haiirosan's diary

散文とか

The Sound Of Dyeing A Cocktail Tone 4

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蓄音機の針が縊死する刹那、
SummerTime Waltzを踊り始める蒼雲
37°のストロークに乱されて
水無月と口紅は唯、渇ききってゆく
雷鳴を掻き消す銃声 リボルバーで撃ち抜かれた向日葵
彷徨う薔薇と百合、造花と生花の境界線を越えても尚、その白い肌からは血とレースが滴り落ちる。
黙殺されしカレンダー、
慟哭に捧ぐ空虚な拍手
泡のような日々、ひび割れた正気……
血管這いずる 硝子窓に浮かぶ
砂塵の葬列、空白の柩
【 】
火葬された五線譜の狼煙が告げた

「静寂の終わり」

滑空する罪のミルフィー
墜落した罰のトルテ
宵に闇が重なり 紺碧に藍が被さり
遊泳するミルフィーユに、そっとフォークを刺せば
暴かれたカスタードと果実が夜を鮮やかに染める――