6の雨後に世界はRequiemの休符を斉唱する
5の翌朝に皺の無い鳥籠とベッド
4のヘッドフォンが断線したことに気づく刹那は、
遠ざかる耳元で囁くのはシャッターの記憶と――
カーテンを喪った裸の窓が「ひびわれたとき」、夕暮も夜も境界線を亡くしたから
どうして未だに蝉時雨は降り止まないのか?
問いかける少女に、3人の亡霊彷徨う灯台からの応答は無く
唯、無機質な記号と無慈悲な%が提示されただけだった。
In the Flat Field,Moments Faded.
乱れない空、崩れるだけの未来
改行だけのシャンプー、温度計の死亡記録に刻まれた香り
私の濡れた髪を撫でるのは、穴の空いたレインコートだけだと、赫い毒を帯びた唇が囁いた気がした
晴れた空の夢、ユメ、ゆめ
光が誰かに 希望を、(絶望を)
インクが自動筆記で書く人形の詞が水に浸される時
八月の朝焼けはチョコレートミント・アイスケーキのまま、もう溶けることはない