haiirosan's diary

散文とか

降り止まない雨の五連符

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蒼白月が視ている気がした。裸の陽光が水槽に溢れていたけれど、ライム溺れたモスコーミュールが私の最期を通告するとは彼方の飛行機雲もうわの空なのだと思う。散りゆく朝焼け、夕暮れの誤認、彼女が焦土のアスファルトを殺した時、千の蝙蝠傘は縊死対と化すから――

水蓮咲く深海二千m,3mm/0.3の亡骸が散らばる深淵に彼女の淡く色づいたスカートも焼け落ちて、クーラーボックスの氷塊砕け散る音色と静脈の断面、冷たい13番目の階段から転がり落ちる唐傘に貴女の命運が刻まれているとしても、誰が9月の革命を模索するのだろうか、

草臥れた木片が揺らぐ水面、暁雨を喪った灰色の世界で渇くことの無いアイス・ボックスに潜む罠、浮かぶのは清廉さではなく金魚みたいに淫らな色彩だと君の髪が霧のように描く度に映るスクリーンの16,ほら、水死体が白骨化すれば白波に溶けて奇麗に消えてしまうから、

金貨が錆びゆくリバーサイド、紅花色の詐りに誰も気づかない淡い朝に季節はずれの金木犀が静かに揺れる。酸素の無い藍色の飛行船はプールサイドだけに墜ちるといつかの君は言ったけれど、朝焼けに灯りを消すことを忘却した閉ざされしワンルームにはもう誰もいない。

××の偽装、ヴェルヴェッツが轟音で鳴り響くステンドグラスに僕らは境界線を喪った水と愛の無い浴槽に沈む石鹸の変死体、青ざめたシャワーカーテンが焼け落ちた刹那に裸体の棺桶が開かれるような気がしたけれど、ハニートーストは焦土と化しespressoは赤ワインにすり替えられ

「ほら、また繰り返しだ」