下弦の彼岸花が太陽を覆う
金貨に粉砂糖が絡みつく、ビーカーに溺れるローズマリーと紫陽花が黙視した朝焼けに太陽は琥珀色の霧雨を零すが、そこに渇ききった12ダースチョコレートは存在せず、海と花束、「架空のノンフィクション」が曖昧な世界線を無音の旋律で浸して。
やがて(あるべき)世界は終わらない夕暮れに染まり、鴉たちの台詞は「私の書く字は血のついたナイフだ」のみとなってしまった。
セカイが血に染まっても蒼き孤独と翡翠色の万華鏡は冷感を保ったまま、そのスカートを汚さないままで漂っている
数字が金言と化し、死と詞がカウントダウンを刻むとき、抽象的なObject Bellは彼女の眼球へとすり替わる。
スクリーンに揺らめく色彩の果と蝉時雨の不協和音、君の手を白日の下へと切り分けるのはそう、眠り人形の手に添えられたバタフライナイフだったのだと、あの日のライ麦畑と祈りが再審を請求するけれど、「9月にリプレイは存在しない」と。
私が磔に処されたホテル404、ゴルゴダの硝子を愛撫するL/Rの瞳が凝視しているのは――
灰色に濡れた白昼空と彼岸花か、それとも、