haiirosan's diary

散文とか

あ__ℵ /花魁__――◐◑、内 臓転 る路

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水中にしか酸素が無い。私は空っぽの乳母車が闊歩する車道を視ながら、排気ガスを深く吸い込んだ。淡い傷痕、或いは3mm,網膜を漂う翡翠色の暁は綺麗だけれど、いつか去ってしまうその色彩に、誰が祈りを捧げるのだろうか?
暗いクライ焔を彷徨って、少女は破れた蝙蝠傘のまま、雨の無い6月に無垢な振りをした。
渇ききった風車、訪れない天使の梯子
求めた38頁は空白なまま、唯水色を湛えて、16の熱帯魚が水槽のキャンバスを鮮やかに染めた季節はもう訪れないのだ、と__
或る海馬が断裂し、
「もう一つの世界が始まる」
暁の赤は失踪を遂げて、AmChord(0000)が標された譜面には蒼だけが揺らいでいる。
澄み切って、残酷なア_オが――

切子、金襴緞子、染みた血、首と蹴鞠の誤認、簪と右眼、左眼の燈籠、君の草履だけが行方不明、井戸に赫されし皿が写す水の中の罪、みあ__ℵ
/花魁__――◐◑毒、内臓転がる路地裏__亡骸、霊、暗い瞳、くらい、く

30%の氷冷に林檎が裂けてゆく、ポラロイドに写るFionAAppleが捜す手首とカフェイン不詳。プールに浮かぶ木曜日がどうして彼女の死体だと、どうして此処には感嘆符が無いのかと教会に向かって問いかける。
__粉砕されたワイングラスにさよなら告げて、僕らは円卓を踏み抜いた。
縊死を遂げた白鳥は、その肌に消せない蒼を抱いて、粉々に砕け散ったステンドグラスを最期に夢見る。
彼女が視た(抽象的な虹のカケラ)は、その刹那に病まない雨に濡れた世界を焦がしたから。
閉ざされた墓標に光を刻んだから。
__薔薇の花片、切断されしキリスト、透き通ったまま喪われる色彩と、