haiirosan's diary

散文とか

308217Mintliqueur

f:id:haiirosan:20181203002313j:plain
霞鏡に霜月の縊死躰たちが映される、翡翠イロの霧中霧、私は虚ろな眼のまま、壊れた視線のままでカステラみたいな午後に浮かんでいる。氷砂糖が溶解するまで、3時のメロディーが崩壊するまで、ずっと__
藍色の麻昼に月が熔ける針時計。308217を永続的に刻む世界で、洋装の赤い死は誰が彼岸花を胸に挿しているのか、彼女には判らなかった。煉瓦が死者を隠匿する、浸みる血のイロは不鮮明、君の眼の色が白日の下に曝された時、目隠しの鬼が静かに笑みを浮かべたような気がした。
いつもより少しばかり早い時間の列車も死体が沢山浮游していて貴方や貴女の無言の呪詛と空虚が傍観された車輌故障を齎しているけれど私はもう疾うの昔に壊れていたから壊れかけのヘッドフォンから流れるメロディーの一雫も人人の暗い暗い視線も何だか虚ろなままだ、
暗い日曜日、アルコールの苦悩、mintliqueurの微笑、そして――