haiirosan's diary

散文とか

葬秋の惨殺死体と328/537ml

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逢魔ヶ時が血に染まる050×、私の左眼に目隠し鬼がそっと終幕を告げた。
赤2号のドライアイスが崩れゆく夕刻、罅割れた境界線を撫でるのは音階の無い四弦だと__火を放たれた花火と踊る記憶、鍵の掛からない空白の窓辺と海岸線、裸のアイスクリームが溶けないのは夢の中だけだと誰が証明できるのか?
――不協和音の子守唄が霜柱を揺らす。溶けることの無い暗渠に鬼の眼が「__」を囁いた夕暮れ午前零時、赫橙色の10階に到達した時、私はもうこの世界にいないことを知った。
沈黙の通続音……彼方に踊る無表情の影と、君の変死体

「然してこの暗き森の彼方此方に、一つ一つの肉体は、それを虐げし魂なる茨の上に懸けられるべし」

葬秋の惨殺死体は瞬く間に隠匿される、不穏な南風と誰もいない船舶、残り328/537mlのRedRum.
――可憐な水面を切り裂く剃刀とナイフに、誰の頸動脈が終わりを悲観することができるのか?
__閉ざされる刹那はいつも暗闇だ。君の最期の赤いドレスが宙空に舞う美しさすら__