haiirosan's diary

散文とか

Abstract Film

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全ての呼吸が蒼に吸い込まれる。日曜日は千鳥足のサーカス、月曜日は副流煙の霧と肺患い。
――老人が颯爽と去った猟奇殺人の現場には領収書は無く、ただ水に浸るだけのPeaceが遺されて、
造花の呪詛が断線したイヤフォンを這い回る。血イロの旋律とFade Outの無い17曲、Number913,亀裂の奔るスピーカー。銃弾が終幕を告げるスピーチ、磔にされるのはいつも純白。だって__
夕刻、焼け焦げた血小板と酸素。
鴉すら羽根を忘れて首を吊る2/3.
空白の無い蒼に誰も笑みを零すことはなく、ただ、彼方で火を放つ少女の指先だけが、清廉な水色のマニキュアを煌めかせていた。
Abstract Film,緑に付加される不明機のエンブレム、暗いくらい影が揺らぐレンズ越しのブラックアウト。
なにもみえていないことをみえているとみえていたようなみたくはなかったみたくもなかった?
__暁の空は未だに眠っている
亡霊とサーチライト、脚が消失した君を曝くのは夜だけだと、幽かにラジオノイズが囁く。
――誰が囁くのか?何処で囁くのか?どうして囁くのか?
疑問符の雨に濡れて、光だけは淡さと柔らかさを増してゆく。