haiirosan's diary

散文とか

丑三つ時、暗鬱の水彩がワルツを

f:id:haiirosan:20180910191717j:plain

渇ききった白昼、曝かれた心臓は躑躅みたいだったから、私は口から滴る静脈血を抑えることができなかった。
クリームソーダにブラッディマリーを加える市民革命の幻想。
泡沫の日々に狂ったまま
水差しの透明は27歳で幕を閉じる
――演目のCoda ただ一人最上段に映るのは
真実を凍結させる亡霊だ、と
遺された水溜まり、8mmフィルムに零す眼球
葡萄琥珀雨、孤独を叫ぶふりをする私或いは貴女が糾弾される刹那に、A広場の赤煉瓦前では無垢な従者が轢断刑に処されている。
リキュールボトルに点火するのはいつも、山高帽の絵画だと、水彩キャンバスの破片がほくそ笑む。
嘆きの骸骨を凌壊する貴女の笑みを、Peaceの缶切りが指先と切り裂く。
止まらない血、止まらない懺悔とクーラー
私の出血を壊死と破傷風が柔らかに撫でる
横切る黒猫も穏やかな丑三つ時
スクリーンに提示される霊障
ワタシノ網膜を幽かな警告が反芻する

f:id:haiirosan:20190507212357j:plain