haiirosan's diary

散文とか

画鋲雨と砂漠の壊死

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画鋲雨に刻まれる匿名の吸い殻
消え去る青い炎に
誰もが喝采を浴びせる
行方不明のネオンライト
血塗れのレインコート
渇ききった未来すら溺れ死んで
意味の無い傘を永延とさす君は
暗い太陽を黙殺する
「それとも、曇天の救済」
崩落した教会に刻まれた雨痕
十字架を愛撫する黒衣
突き刺された傘の色は終わりの啓示
血塗れのシートで眠るのは
血塗れのシートで親指を貪るのは
血塗れのレインコートを脱ぐのは
艶やかな、或いは無残な死の憧憬を
鈍色の車輪が刻む夢を――

破綻への凱歌に啓示の詞が刻まれる。秋風の蜩は壊死した人体模型、道徳を切り返すカッターナイフが最期の林檎を囓るとき。
大罪の選択肢
楽園はビルディングの深層世界にあまりにも溺れていた。砕け散る硝子、睡蓮の救難信号、崩れ去る全ては無言の憎悪を差しだすから、私はもう__
虚ろなのは始まりからだった
座標を見失ったまま、裸足で歩く砂漠は血に染まり、左眼(だけに)流れ込む砂は許し難い痛みと――
9%,9%で構成された方程式
数字で充たされた血管
内臓らしき不定形が口から滴る
通りすがる修道女は私を嘲る
私はワタシを打擲する
車道には死が遊泳して