haiirosan's diary

散文とか

青いシュレッダーの深層に潜むのは

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凍てついた鶏の首が夕刻に跳ね回る。ブレザー冷めた路地裏の罪は深紅のペパーミント、シュレッダーの深層に潜むのは青いペンキだからと囁いた彼女はドライジンをライムで炎上させて――
いつの間にか私を囲う熱砂の鉄柵は日々の泡と錆びついた瞳孔を揺らめかせ、
――「 夏」
夏の色は長襦袢にこびりついた血
夏の夢は茜色の通続音
夏の終わりは青い焔に焦がされて……
藍色の冷却炉にハイヒールが零れ落ちた刹那、淡い飛行機雲は実体を伴って「お終い」を呟く。
流転する死体をプールサイドで眺める夜。
鳥たちは嘆きの讃美歌を吐き散らし、惨めな魚は酒樽へと投身してゆく。
救いのアルコールが死へと向かう熱病に拍車を掛けることに、救う為のアルコールが破滅への道標だということに、私は気づいていたのに__
やがて、鬼門が開かれて、私は知らない貴女と貴方とプールサイドの変死体だ。