haiirosan's diary

散文とか

イチゴ畑と死体遺棄

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秋の入口を忘れぬまま、いつかの縊死対がワルツを躍る。
茜色の季節、或いは水面の季節。
悴む手に熱と悪寒を帯びて、心肺が零れ落ちて街は紅葉跡のように色づく。
誰にも踏み荒らされない色彩
誰もいない車道をそっと撫でる風音
轢断されたショートケーキから流るるは、儚いまでに煌めき奔る静脈血。砂糖菓子の惨劇、スカートを履いたアドバルーン、いちご畑に零された線香花火が、壊血病に悶える空を食紅で塗り潰す。
不規則に撒き散らされる子供達の嬌声と共に、規則的な父親或いは母親は規則的にブランコにて首を吊っていたけれど、拘束されるのは8mmスナッフの政治犯と台本上の形而下ではぬれてはならないまんこだけではないということがはっかくした。
Beck'sフレーバーのイチゴ畑」
無惨に朽ち果てるのはいつも、かつての夢や純心、ノスタルジアだ。
黄昏時、フェンスにへばりつく透明な抽象物
変容を繰り返す2月は、静寂ばかりが8階から投身を繰り返す。
彼の周囲は口を縫い合わされた機械ばかりだ。
手の震える禁酒法
脆い行進と第3次__
ガソリンの水たまりに火を放てば、跳ねないウサギと開かない棺桶の真実が判るような気がしたから、こうして苺の記憶を廻らせている。