haiirosan's diary

散文とか

ダガーナイフの寝室

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うつらうつらと死の午睡

ゆらりゆらトうたたね ヲ ……

解体された毛布

丸まったままのブランケット

横たわるセダン、揺らめくままの蜃気楼

薔薇色の黄昏に焦土の嘆き――
――鳴らない目覚まし時計、屍の敗血。
暗幕に閉ざされた部屋、
暗渠に浸されたベッドには、

確かにダガーナイフを携えた、「彼」が佇んでいたような気がして――

蒼白のワルツに暗幕が被さり、世界は瞬く間に不協和音に浸されてゆく。

「__________」

雨、 不可視の雨が革靴を水没させ、誰かのハイヒールを切断した。
__血も流すことなく、最期に笑っていたのは、無垢な黒猫と裸足の少女だけだった。

反転するはずもない三面鏡に、奇数の茜色は滑らかに消失してしまう。
切り刻まれた畳の下、
垣間見の「名も無き死者の薬指」
罪なき白磁の骸すら、黄昏は不穏に染め上げ、唯、沈黙だけが其処に――

私にだけ聴こえる「紅色のサイレン」反芻する音色の水彩画、
或いは拭えぬ死と、気の触れた__
ニライカナイの夢うつつに、いつまでも浸る? 
――壊れてしまった夕暮れは、瞬く間に消失してゆくのに。