haiirosan's diary

散文とか

親愛なる全ての水曜日

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浮游する綿飴と夏藍、

血が染みた神の愛撫、

行き場を失くした指先に茨が刺さる。

眠りと肺の苦痛をラムで沈めれば、ブルーレットは血痕を浄化するのか?

訪れる?訪れない?

視えない砂塵が視えないままに旗を揺るがし月と火焔瓶を隠蔽する

親愛なる全ての水曜日に烈火が放り込まれて、死者は砂糖水と握手した。
奇数とマクベスに路上のキス、
救いなきソーダ水が錆びゆく

飽和する未来と、呼吸すら苦しい日々
8mmに映る暗い暗い内臓たちはあの夏の日を思いだすのか?

空っぽのプールサイド

白いスニーカーが塩素剤に柔らかに包まれて――

――やがて、終末の水彩画に水色の水が注がれて、世界は淡く瓦解してゆく。
あまりにも柔らかな青と白は、全ての血を浄化し、裸足の壊死すらも救済へと導いた。

ソーダ色の蝶蝶が夏を愛撫する時

風鈴の群れは救われる為に息を止める
溶けだした記憶のアイスキャンデー
熱病を冷却するガラスの無音
過ぎ去る文月が柔らかに砕け散って
__

変拍子の亡霊が迷い込む、偽装の廃墟。

明滅するモノトーン、鳴り止まぬワルツと水彩画の記憶。

平行する秋の牢獄は、あまりにも澄みきって

茜の水色は逃れようのない黄昏時に抱き寄せられるまで、

永延と煌めき揺らめいていた。