haiirosan's diary

散文とか

「私」と黄昏と世界の終わりの音

https://youtu.be/y4ebJNj9JxI夕焼け刻むピアノ線 誰もいない教室の奇数 冷めゆく熱病 鴉散りゆく刹那 「旋律なきサイレン」 無表情な悲鳴を奏で 暗い影を世界にそっと導くイロ__色を喪いゆく葬列が 遺失物と死亡記事を探し回る ――溶けない茜色 焼け落ちた…

夕暮のゼリービーンズ溶けて、

刎ねる首鞠蹴れば白粉朱くなりにけり 転ぶる排骨唐傘ちぎれ雲淡く 花びら濡るる身毒丸と 唇刺すは麻痺セリ長月 ――映し鏡映さぬ虚ろな鋼鉄 陰鬱な因果律に鼓動を求めても 此処には何も無いことを知れば ブラウン管はノスタルジアではなく 悲劇の象徴だと、 そ…

茫葉に隠されし百日紅の気管支

紅葉のフィルムに逆行する溺死が浮游する。 血に濡れても尚、伸ばす手とサイレンの唸り 白衣が爪弾く猟銃のざらつき 救護されるべき血小板に明日がみえない 細波のような遠き雨音が、心拍を拐かして__ 「此処は藍色と宵色を見失った街」 暗渠明滅、蒼白ノ…

海辺のような暁、痛絶

累積せり警告を業炎に投げ入れ 波間のような沈黙に浸れば 私と「わたし」の縊死体が 幸福そうに揺れていた 水面に浮かぶ左手が掴む救命の偽装 偽りに偽りを重ねた手錠 錆びついたうつつ、時計の針折れて…… (夕暮れ夢)は カーテンから射し込むナイフが切り…

カステラ滲みる砂場と電気椅子

深層の洞窟を駆け回るラスコーの亡霊 出口なき迷宮に抱えた首すら諦観を交感する 裸足切り裂く砂の薔薇、右目切り裂くルイスの剃刀 崩れる教会石化硝子 溶ける十字架茜に染まり AM.2:00,アスピリンの翠緑は明度を深めて…… 攪拌する太陽を人差し指で掻き乱し…

造花の桜花とクロール

脾臓飾られしフィルムの内面のフィルム 零れ落ちたクロールの残影 バタフライの鮮やかな水死体 彼女らの影は 止血剤を無効化して―― 熱砂に気の触れたステンドグラス かつての鮮やかさを救済もなく喪い…… 十字架が少しづつ色褪せてゆくことを、 誰もが黙視し…

地下鉄、血漿散る水無月

地下鉄、階下に横たわる海柘榴。 声にならぬ声が刻まれた39面 奇数を刻む段数に、偶数はそっと唇を噛みしめる。 剥がされた革靴、暴かれたハイヒールの行方紅に濡れた花片は艶めかしく、階上の紙煙草を静脈血で浸せば 此処には忌避すべき喧騒も、モノクロー…

成層圏、紅色のオーケストラ

淡きリキュールに細波が抱擁を求めて 藍色の頬は幽かな熱を抱くあの空と海(のような)陰画はやがて切り裂かれ 其処に「七限目」はもう存在しなかった 薄荷ざわめくいつかの空白 奇数と偶数の狭間、成層圏とオーケストラ 柔らかな枯葉がワルツを奏でる――彼方…

薄羽蜉蝣の記憶

血小板の夕暮、君の血は致死量を超えてまで夜を忌避する。 心のシャッターに幽かに刻まれる爪痕 死への欲動は、浴槽に投げ込まれた造花が魅せる快楽と夢。 呼吸を審判する水の中には 錆びることないナイフが揺らいでいるから __ 彼方の警告音 泡沫に眠る雲…

むらさきのそらと痛絶

刹那の紫鏡ひび割れて、あの日の少女は「死の部屋」を描くことを選び取ってしまう。鮮やかに痛く、-を刻む筆先、 不鮮明な色彩に誰も拍手を送ることなく、 栄光と光に充ちた記憶すら、やがて翳んでゆく―― 暗い太陽 暗い笑み 彼岸の白昼夢は止まぬ秋雨と 死に…

リキュールの夕刻、死亡記事の行方

カササギ掻き毟る夕刻 蜜柑曳き殺した夕景 ページをめくる指は一つ、また一つと失い…… 『死に至る病』の最終頁に、私は氷結した希望を溶かしてしまった。6月、渇ききった唇、口紅の水死体(は)美しき季節 沈まぬ太陽に左手を振れば、 此処には憎悪と無感情…

水彩画には誰もいない

桜花のような心臓爆ぜて 春の冷たい花火は「無人の哀画」を柔らかに染めてゆく。 彼方の柱時計、ひび割れた季節 うしろのしょうめんと匕首 障子濡るる渇ききった春雨 ただ、雨にうたれた私には涙すらなく ――色、イロに拐かされた景色は 藍毒と狂った夢を火薬…

夕刻に揺らぐ紅茶のイロは__

薄ぼんやりした終幕は 何処までも冷ややかな熱を帯びたまま 唯、氷塊のような針時計を逆行させている。 ――いつの間にか色彩を喪った朝焼けに 世界は焦土と化して 彼らは裸足であることを忘却してしまう「もうひとつの天国」垣間見の蒼に虚ろさ揺れて いつか…

水鏡に暴かれた終幕

細波の夕暮れに世界が溺れて、 游泳をやむことなき「黄昏の名」が 誰にも聞こえない凱歌を歌う―― ――瞬く間に夜が忍び寄り 刹那に過ぎゆくその旋律は いつまでも暗渠の波間を漂っていた。 ……影絵揺らいで 冬を、心を、(わたし)を殺して……?鮮やかなる死、冷熱…

「記録に遺されない未解決事件」

風船のワルツに水槽と呪詛を提示したことになれば 人々は私を殺人者だと指さす間もなく、 瞬く間に罅割れた硝子に 正常を咀嚼する解釈すら皿の上の「豚の血」をワインに一匙最期の記事に載せられた死亡は、紛れもなく春雷の残り香だった かつての栄光と希望…

クリームソーダに冒された境界線

積み木の街は、逆行世界の夕刻に呑み込まれてしまった。網膜に刻まれた鳥たちの行方逆再生されるサイレンの悲鳴――揺らぐ影も躍動するナイフも正体を喪い、 体温無き戦場に置き去りにした指輪の記憶すら、名も無き人々は忘れてしまう。 琥珀の蝶々が飛び去っ…

プールサイド、花火と私の死体

奇術倉庫-プールサイド、花火と私の死体 Poolside, fireworks and my corpse by 奇術倉庫 | 奇術倉庫 Magic Warehouse | Free Listening on SoundCloud プールサイド 溺れる花 夏の色は 蒼く淡く プールサイド 溺れる夏 君のイロは 腐りきって ぼんやり 私の…

水彩の静脈血

快楽の落第、罪悪と災厄 とんかつと忖度、狡猾と謀殺 蝕紅の柔らかな抱擁 止血剤が黙視されて 触れる指先震えるままに外科室の扉叩けば さすらいの斑紋は未だ安穏とした公園前を騒乱に陥れた しかし殺傷と殺生を誤読したカフカのFは暗黙のまま沈黙ざらつく市…

草木灰の鬼

https://m.soundcloud.com/haiirosan-27/hbypu1xqbvbk「草木灰の鬼」柔らかな赤 宵の左手 切り裂く朝 光は淡く 冬の遺灰 消え去って 記憶だけが 刹那揺らぐ路上の鬼 冷たい道 紅い靴を 遺して去る此処にはいられない、悲鳴と殺意に充ちて ただ、流れる血を抑え…

沈黙と藍色の百年戦争

自由の羽が藍色に濡れてゆく 青い春に暗影を墜とすのは、いつもあまりにも華やぐ桜だったから、 その可憐な縊死は突き刺さるような刹那に浸されていた。 塩素水に波紋を遺す、ひとひらの花びら 霞のような桜花を反芻する 二度と枯れぬ運命の色 最期のドアを…

親愛なる全ての水曜日

浮游する綿飴と夏藍、 血が染みた神の愛撫、 行き場を失くした指先に茨が刺さる。 眠りと肺の苦痛をラムで沈めれば、ブルーレットは血痕を浄化するのか? 訪れる?訪れない? 視えない砂塵が視えないままに旗を揺るがし月と火焔瓶を隠蔽する 親愛なる全ての…

西新宿のブルーベリービル

西新宿の遺棄 ブルーベリービルと隙間の海に濡れて ほら、凍傷は奇麗だ 放棄された西新宿 もう動かない歩道に寝転ぶ 瞬く間に咲き誇る鏡像 瞬く間に咲き誇る脾臓 瞬く間に遡るモノクローム 揺らぐフィルム 抑えられない内臓 試験管に林檎 赤い金魚が忘れた笑…

網膜のゾアとアスピリン

白磁散りばめられし水色に 瞬冷の春は幽かな暖かみを帯びて 全ての埋葬された遺体に無垢の祈りを捧げる。 例え、青ざめた爪先が 「鬼」の頸動脈を引き裂こうとも―― __モルヒネの笑み アブサンの残り香、 12月の空席、 拐かされし太陽、 オレンジ轢断した罪と…

着色料滲む終幕

彼方、幽かな杏子飴漂って、 全ての砂糖は終着点を見失ってしまう。 (三面鏡の裁判) それすら、動かぬはずの彼女はその首を揺らしてしまうから、私の指先から果糖と着色料滲む。 踏み散らした「藍」 白骨のエンドロールは緩やかに吸い込まれて __暗幕__ …

蜂蜜色の黄昏

紺色飴溶けて曇天 糖度に犯され赤蟻の水死体が、彼方に浮かぶ 平坦な煉瓦をいつまでも糾弾する議会に 首を残した者は誰一人としておらず、唯、その可憐な切り口から血と砂糖を流しつづけている。 「眠り亡き桜の記憶」 水色のスクリーンから零れ落ちて奇数を喪…

枯葉の悲鳴、永遠の残響

茜切り刻み、青の千鳥足が7Fに導かれ糖度に犯され赤蟻の水死体が彼方に浮かぶ。 平坦な煉瓦をいつまでも糾弾する議会に、首を残した者は誰一人としておらず、唯、その可憐な切り口から血と砂糖を流しつづけていた。 蒼白な森を永遠と彷徨うのは、きっと無垢…

モノクロームの十字架

ページの空白、海中の炎 折れた首とペンが世界に潤いを催す。 渦巻くコンタクトレンズ ブルーレットの境界線、「青」 揺れる大動脈に突き刺さる待ち針 ミシンの奏でるパンクロック 糸、赤い糸は枯れてモノクローム 暖炉から覗く足首の形は__ M O 氷水が空に…

実体の無い天使と奇数

鏡を遊歩する炎 三面鏡の迷宮 夕刻の轢死体引き摺られ 反転した海は赤みを帯びてゆく __ (天井) 落下するクランベリーと 安楽椅子が催す葡萄酒の醸造に 埃まみれのグラスは砕け散ったままだ 螺旋階段から墜ちる快楽、 注射器の海に浸る白昼夢、 正方形と…

円卓上の陽炎

紅海拡散する波打ち際 血の芳香剤散らばり 火薬庫は臨終を迎えた 治癒すら望めぬベッドの骨折 重油漂う暗渠に、カナリア泣き叫ぶ 匿名の傍観 教会は紫煙に浸された 「誰か」の影と懺悔が永遠と揺らめいて 逆さまのパノラマ 順行する三面鏡 ひび割れた希望 ひび…

透明な本に刻まれた改行

屍夏の太陽の下 十字架すら砂塵へと帰して 青はより鮮明になってゆく 彷徨うコンクリート・ジャングル 火葬に付されても尚、血を滴らせる人々が 最後のソーダ水を拭き零してしまう ……琥珀の波が黄昏時を洗っていた。 「無言の静寂」 柔らかなブランケットが覆…