haiirosan's diary

散文とか

指先でなぞる、終末のアイスクリーム


「扇風機に指先を突き刺せば、私は彼女に痕をつけることが出来ると思ったの」
そうほくそ笑む彼女は、僕の目の前でチョコレート・ミント・アイスクリームを燃やしていた。
滲む赤、暗い世界
紅茶に沈む空の青

薄暮れ 紅 死体の肢体は国体辞退
藍暮れ 五月雨 堕胎の個体は廃退

あ、あ、あ、此処は一体どこなんだ!
考察一、鯨の胃のなかで捕鯨された
考察二、図書館員の嫉妬で借りられない本のP,189
考察三、東新宿の居酒屋の個室
考察4、西新宿のバスロータリーで下敷き
こうさつご、屠殺後

ーーここでモルトウィスキーを一杯
ーー私は生き返るけれど、60sは死んだ

趾を止める君の口紅は緑色
歌詞を書いていたら、そうNHKのnoiseが僕を難聴にした
Make some noise
Make your bed
皺になったシーツに煙草の焦げ跡
誰もいない街の安ホテル

25年の人生は目の前で溶けゆくアイスクリームみたい。
刹那、切ない?
愛は哀かい?
武蔵野エレジーは何時も人身事故を起こすから、僕はガソリン切れの白いセダンで眠っている。
溶けたシャーベットの海
モノクロのオアシス
マッチは残り僅か
ああ、凍傷がローストビーフに見えてきたから
僕は新鮮なミント・アイスクリームの夢を見たい。