haiirosan's diary

散文とか

桃が溶ける午後に

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渇きの街 乾かないシャツ

相反する世界 僕らは絵具を持たずに生まれた

色を喪う 黴た腐肉に寂びた果肉! 蠅の王は群れる黒の中にいるのか?

探せ 曝せ 骸の中に潜む悪意を

終わりを告げるシャボン玉

雨のように弾けるシャンパン

葡萄の悲劇 透明と純粋の墜落

――コンポート Comfort

神は桃よりも林檎を愛した

傍観 静観 感情は何処へ?

無音の悲鳴 無言の死

千のナイフが彼らを加工する

そして瞬く間に渇く 刻まれた裸体

落ちないシャツの沁み 僕らの罪と罰はいつまでも