空は蒼く 君は青く 硝子の低空
鴉群れる空中は庭園ではなく牢獄 であった
閉ざされた風景 閉ざした処刑
線が切れるのはいとも楽で それでも無表情のままで
十字架のような彼女 張りつけられる彼はうな垂れたままで
僕らは歓声も 救うこともなく
冷汗と静観
そして 紫煙すら清涼に溶ける白昼
夢の中で視たヴァニラの空 太陽に食べられた
心の空腹 此処では幸福? 白衣の悪意 告白に同意
――窓の内側 震える君 揺れるカーテン
時計は12の境界線を刻む
今は昼か夜か
暗視眼鏡で見る世界 望遠鏡で見る歪んだセカイよりは愛せる色彩?
暗緑 輝く瞳
歪曲 濁る瞳
偽りは真実で いつまでもそのままで
街の風景は平穏
道の光景は不穏
それが夢であろうが現実であろうが
鉄塔が全て崩れ落ちるその時は 全ての終わり
無言のまま 素肌のままで
――窓の外側 揺れる君 開いたままのカーテン