サーカスが去っていく
燃えあがる日々
燃え盛る火の輪
置き土産は赤美しく 儚い映像
ライオンと雷音 生と死の境界線も無い
胴を切り裂く彼 切り開かれる彼女
地上30m もし墜ちたらどうなるの? 少女の想像は残酷
脳裏に刻む 鮮烈な光景 極限の曲芸が刹那の余韻を
終りの地平へ向かう彼ら
サーカスのテントが燃え尽きるその日まで
歓声 歓喜 時々悲鳴 憂鬱な生と死を奮わせた
私はどこへ向かうのだろう 行方不明の心のまま
私は此処で生きられるだろうか 道化の心のままで
――黄昏時 不意に世界の終わりを想像する
飛び去っていく鳥達 夕餉の匂いも味気なく
うたかたと消えそうな 輝かしい舞台
残るのはひび割れた無味な日々
それでも生きていく
眼に焼き付けた 瞬間の熱情を胸に
汚れた街を自転車で駆け抜ける
淡く煌めくリフレクター 空が夜を告げる――