右目のレンズが揺れる 街灯の下 視界がぼやける
波打つ街 潮騒のような喧騒
乾いてゆく視界 まばたきで点滅
灰色の海を泳ぐ 私の足は覚束なく
それは 合間を歩む 酔客の千鳥足にも似ていた
よろめく夜 右目の世界は水を求める
左目のレンズはへばりついたまま
街頭で正常を保っているような
平坦な街 モノクロの光景に想像が騒がしい
脈拍のない街 色を喪った意味
退屈な視界 まばたきが水を零す
白黒の海に溺れる 私の足は重く 冷たく
それは 合間を歩む 他人の視線にも似ていた
湿りゆく夜 左目の世界は渇きを求める
――そしてLとRが握手する時 夜は長く より深く