haiirosan's diary

散文とか

いつか首吊りの夕刻

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絡まる死体と舌、有刺鉄線、静脈血
風車、水溜まり、意味の無い剃刀
麦畑、井戸水、傘を喪った婦人
夕暮れの少女が息を潜めて視た風景は、黒い家と黒く塗り潰された人影だった。
左手の路線を切り裂けば、電子の世界が沸き立つからと。
匿名性の悲劇或いは喜劇。僕らはくも膜下の午後にただ笑っている。紫の空、青い朝を濡らすアルコールに火がつくことは無い。
消え去った青い目、彼がレミントンの不発に嘆く頃、未来は終末を迎えていた。

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彼がいつかすれ違った未来、シャンパンの偽装硬貨、永遠のワインよりは刹那のワインを求めた結末はハッピーエンドになるはずも無く。
草臥れた臓器うねる暗幕、心霊写真に悲鳴する彼女の右肩の真実。そう、そこにあるはずのそのいみはそれをうみとかしそはいかにとはいかいする56

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夕暮れに首を吊れば、青より蒼い肌