haiirosan's diary

散文とか

Cluster Amaryllis

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残暑の出血が這い廻る深碧。
ハーメルンの笛吹が引き連れる餓鬼がマネキンに変換され、銀座三丁目の硝子の向こうではストリップショーが朝から朝まで行われていると。
猛獣を飼うような鉄格子に閉ざされた庭園。
僕らは血を流しながら、死を流しながら、その南京錠を抉じ開けようとする。
麦わら帽子の7歳、仮名で赦された季節は過ぎたようで過ぎないことに苛立ちと殺意を隠せないのは、彼のシェパードのみならず、血を求めて無為に飛び回る蚊も然りだって。
ピッキング、コッキング、神経みたいなストッキングの伝線の先の先の白く濁ったミルク目を抉れば黒、碁盤のような人生をひっくり返しても二色。モノクロTVショウのOPの最中にマーブルカラーを望めば、其処にあるのは血塗れの刺殺体。

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「此処では蒼白の壊死は許されない」
私の後をつける暗い暗い影が嘯いた言葉。
トイカメラで首吊りを試みたことのある少女も、スマートフォンの発火を夢見ている少年も、血管や心臓を曝けだした曼珠沙華も、紅く赤く朱くその血を滴らせているのだから、と。
触れれば私の皮膚に刻まれる死の刻印、倒れ臥しても尚、シャッターとフラッシュの犠牲になる彼岸花。欲望や人形との同伴を求められ続けた彼女らは、その色を純潔なまま、綺麗なままで冥界にて燃え尽きたことができたのだろうか。

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Cluster Amaryllisの黄泉路は永く永く、再び訪れる神の無い月を待ち焦がれている。