haiirosan's diary

散文とか

永遠の五限目、リトマス試験紙の造花

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永遠の五限目、リトマス試験紙に火が放たれた時、理科室は翡翠色の水に沈んでいった。
罪も罰もない30の無垢、花瓶に突き刺さる造花の百合を着色しているのは人工雪だと高説する匿名の父兄に、誰が審判を下すことができるのだろうか。
「此処が輪廻にのみこまれているのなら、私の醜い心と身体はエンドロールを迎えられないの?」
女は虚ろな目のまま、そう呟いた。腐海に溺れる大人達にでも、白骨化したクラスメートにでもなく、熱病に冒されたまま倒れ伏した少女の血に染められたカーテンに向かって。

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紫陽花が咲いても雨は降らず、ひぐらしの鳴く頃に乾ききったカタレプシー。
言葉のサラダに盛りつけられるのはそう、針の無いランチボックス、五線譜の無い楽譜、青も救いも無い0%/0%の水曜日、ボーダライン・スプーン上のラムチョップ、同フォーク上のピーチジュレ、バラバラ死体のサンドイッチに形而上だ形而下だと高弁を振るうチョークの色を駅前文房具屋のシャッターをぶち抜いて買わなきゃいけない。
僕らはちゃぶ台にカステラを置くこともカステラにカステラを重ねることもカステラがカステラも重なることもカステラをカステラがカンテラマントラを被せることが出来ないとここで3、2、1、●

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