曇天の線路を赤い十字架が刻む
公園のトレイラーハウスと神が抱くC4
善良なる人々を、葡萄酒漬けの神を爆死に導くのはいつも、
――茜色の朝、コーヒーに混入するリキュール、カンボジアで聴いたラジオを思いだすと6歳の少年が呟けば、向日葵色のランドセルに曼珠沙華が咲き誇る。
通勤通学鞄靴が蘇鉄色に染まれば私たちの雨はやむのか?と長靴を履いていない猫に問いかけたけれど、彼は透明な雷魚を求めて行方不明になっていた。
夕暮れも影絵と化す画家の悲観
夕焼けに炭化する蒼白の終空
また曇天が世界にモザイクを掛ける
単眼の太陽、紫色の静脈管が抽象的に彼を内出血せしめた時、マリア像は慈悲の涙を流すのか、彼女は心臓に待ち針を突き刺すことをやめるのだろうか。
君の指先も君のマニキュアも霧雨に染まれば元通りだねと彼が笑ったような気がしたから、境界線上の乳母車は心臓発作を起こさない。
輪廻する速達、微かに香る焦熱の匂いとオーデコロン