haiirosan's diary

散文とか

薔薇と彼岸花のイロゴトはモノクロ

f:id:haiirosan:20180830073836j:plain

イロゴトのモノクロとカケゴト、喪うフィルムに君の33巻は存在しないから、
燃えあがる車輪に刻まれた夕暮、季節から離脱した貴女のワンピースは灰燼と変換され__プールサイドの悲鳴、蝙蝠傘に抉られた心臓の色はモノクロ、渇ききった哀歌と止まない雨に、水槽はいつまでも彼方の三日月に笑いかけていた。
流星と頸動脈張り巡らされ、青空は瞬く間に感電した朱を帯びてゆく。空虚の縊死、或いは916-3と悲嘆の革命→拡声器が儚く響く校庭の果て、錆びゆく鉄棒から延びる影の少女が切断されて__
火炎に包まれた水中都市、未遂の剃刀群れる午後3時を誤認すれば貴女の石榴は揺らめいたまま。氷鏡に注がれた紅茶とカステラの彷徨う甘味料を毒だと云えば、この世界は甘美と変死しかない。

空白の睡眠時間は自己嫌悪だ
空白の朝は暖房を冷房に
空白の昼はかき氷の焼死 
空白の夜は故意に衝突
空室の4は赤いシーツ
空室の40は淡いレース
空室の404で拭うドレス
空腹の今はシロップと折れた傘
空港の君はドロップと壊れた翼
空欄の貴女はテロップにいない
空欄の私はスクラップの死亡記事

硝子の牢獄に閉ざされた47の右目。執行猶予の48の左目が視た、最後の海も墜落者の羽毛に覆われて、此処は虚ろな墓場となってしまった。死体が時折揺れる海岸線と2590,1/-7462 2ーー
「カッターナイフで切り裂いた薔薇と彼岸花の色はモノクロ♭だった」

f:id:haiirosan:20181231095650j:plain