haiirosan's diary

散文とか

ヘッドライト消えた車道、59階のミッキーマウス

f:id:haiirosan:20170715182938j:plain

不可視の亡霊に浸された街は機械色のドレスを纏う。狂気と好奇が揺らめく瞳に注がれる不明瞭のSpirytus.全ての時計は針が歪んで、私は彼方から混線する、赤子と鴉の啼き声を虚構だと感じることができない__

彼方のマーマレードが憂秋の牢獄から解き放たれた。ヴァニラ・アイスの注射器、ソーダ水と拳銃を抱えて、誰もいなくなった10階の世界を夢遊病みたいに彷徨う。淑やかに、甘美を帯びたまま――
やがて偽装の柑橘が果汁を喪い、ぶっ壊れたトースターが、黴びた16ビートを刻み始める。

グラスワイン融解して、青ざめていた筈の世界の頬は紅みを帯びる。
幽かに飛び降りた59階のミッキーマウス、浮游するのは羽根を喪った鴎だけだったと、黒猫は証言する。
ヘッドライト消えた車道、揺らめく神の血、Closeの看板はいつまでも降ろされること無く其処に――

Detoxification Honey「コールガールアルコールアンコールワットスパンコールタールコールターキーブランキークランキートランキライザーファッキンライザップドリームポップコーンライクストライクウィッチーズギャラガーリアルリアムタイムアップタップサックファックトークボックスクラックスデトックスサーカス」

遷ろう万華鏡、閉ざされたパノラマに貴女は右眼を焦がす。冷たい虹、空のカケラ、深淵からの__
薄らいでゆく意識の霧、血の痕すら隠されし硝子の世界で、いつか指先から剥がれるマニキュアの刹那に気づくことができるのだろうか?