haiirosan's diary

散文とか

水色のファンファーレ

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十字路は炎に浸された、渇いた祈り、アークバードの墜落、網膜から流れでる茜色の夕景と記憶。
記憶の果て、雑踏の焼死、38面に描かれた陰画の真実に誰かが笑う。
海水に浸された50のビルディングにプティングは痕跡を遺してはいない
渇ききった切っ先、「全ては色を失い、意味を喪う」
黒煙舞い踊る街の硝子ケースを砕く右手
貴女や貴方が求めていた神はショーケースとブランデーの偽装建築、2丁目の廃頽、3丁目の頽廃。
延焼する憎悪に私は左手の震えを抑えることができない。
薬指と先端恐怖症、裁縫恐怖症太陽に五月雨糸が刻む潰瘍はいつも透明だ
4月、無実の審判がやがて告げる死刑判決にすら、私も貴女も柔らかな笑みを浮かべる。
そして、六弦から一弦が零れ落ちた時、聴こえないエンドロールがそっと__
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桜錯乱花片花魁、匕首で切り裂くは誰かの動脈、花見と切腹大吟醸に混入されるヒ素の藍色、解釈も介錯も赦されない春爛漫、白装束の痛絶に笑うのは黒衣の胡蝶だけだと、彼方の鶯がゆらゆらと揺れている。
都会の喧噪、儚く淡く終焉を迎える桜の葬列に、唯、水色のファンファーレが永延と不協和音を奏でていた。