haiirosan's diary

散文とか

暗濘の暁

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「彼は真冬のプールに棺桶を投げ込みながら、秘かな祈りを唱えていた」
――名も無き証言者は3-A教壇にて、熱弁を振るっていたけれど、錆びたマイナスドライバーの行方は誰にも分からなかった、そう誰にも。
だが、砂漠の果ての油田から溢れる$と黒鳥は、砕け散った鏡に映るバレリーナの二面性とホワイトアウトする儚きラストシーンに、空席(だけが)笑う。
13番目の小夜子、14番目のアイリス刺さる花瓶。
カウントダウンの果て、粉々のチョーク
踊り場に溜まる血痕
踏み外すイキルサイノウ
上履きが深紅に染まるとき、君はアノニマスのままでいられるのか?
暗濘の暁に太陽は触手を伸ばし、蹂躙された軍隊蟻達に幽かな救済を与える。
オーブンレンジ内の破裂と共鳴する少年の内臓破裂
オーブンレンジに幽閉されたアイスクリームの嘆き
オーブンレンジとアラスカドッグフード
繋がれた犬の最期は(無)だってことに
誰も気づいていないから、