haiirosan's diary

散文とか

車輪の下、歯車の幻覚、内臓の共喰い、

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欠席に浸された教室、ノートに突き立てられたナイフからは幽かに血が滲み、揺らめく影が握り締めた鉛筆は窒息死として処理された。
「記憶」
記憶は少しずつ薄れて、暗い夢が現実に肉迫する。
網膜と鼓膜を揺らす影のトレモロ
「バニラのドレスは脾臓を動脈血を奪われたから」そう何処かに隠されし首が囁いた 。
蜘蛛の糸を求めて群がる鴉は電線の罠によって二重の死を抱く。
暗い青、投身他殺、洗濯機から流れる隠された(はず)の幼き血
虹彩異色に染まる路上、渡る影は例外なく轢死体へと昇華される。
車輪の下、歯車の幻覚、内臓の共喰い、レインコートとナイフ
0.01を切れば、開いた瞳孔に映る真実すら、どうでもよくなるから。
雨戸からそっと忍び寄る蒼白の手、口を塞がれた彼女が最期に見た夕日は、傍観の紅色を湛えたまま、ずっと __