haiirosan's diary

散文とか

3番目の椅子とブランケットを捜さないと、

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少女の戦場を夕陽だけが照らす
滴る血と骨が凱歌を嘯き
錆びた手錠が自らを自らでいる為に自ずから偶数であろうとする
断線は幸福である
断絶は幸福である
断崖から身を投げる君はいつも、
全てが断ち切れた時
幽かな光と止血剤がそっと射し込む

心臓と敗血を零しながら歩く硝子上には、たしかに蜜柑色の夕刻が忍び寄っていた。
判読不能の黙示録、背後のスカート
暗い誰かの右手が私の口を塞いだ刹那、私は私のカッターナイフで私を切り裂けば、誰かの右手は柔らかに離れていくと、そう思った。

眠りを忘れた蜘蛛は26階のプールを遊泳する、救う為の糸は無く、殺す為の浮輪も無く。唯、あまりにも敷きつめられた酸素が水死体を肥大化させ、漂う紫煙が終わりの花火に点火する瞬間を視ていただけ。