haiirosan's diary

散文とか

黄昏のエンドロール、藍色の天鵞絨

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消失と忘却を輪廻する暁。
街には境界線を永延と描く黄泉路が、渇きをなくした夏を嘲笑している。
点滅を放棄した色彩たちは熱病に犯され、自らの心臓を露呈したまま、茫漠とそこに立ち尽くしていた。
夕刻に陰翳と華やかに
剥離した白磁
清爽の舞台から飛び降りる春雷
あまりにも死屍累累に浸されたアスファルト
彼方の着色料にやがて塗り潰されて__
__うな垂れるばかりの縊死体。
透き徹ったショーケース
輪切りの馬の行進
悲鳴或いは歓声
я¢
深紅が葡萄酒と混濁して
繰り返す落下傘の末路__
砂の海に埋められたメチルの瓶
渇くことのない祈りに、救済の波が視えた。
珊瑚礁が喀血に浸される時、
瞬く間に(不穏)がランドセルに突き刺さる。
錆びたガードレールに隠されしカッターナイフに、或る無垢は酷く歪んでしまったけれど、未だに「3つの選択肢」を与えようと夕暮れに彷徨うのは__
黄昏のエンドロールは藍色の天鵞絨を切り裂き、避けられぬ暗幕に花束を手向ける。
ヒ素に彩られた造花に
砕け散った硝子の靴は破傷風の笑みを零して――
染みゆく炎
黒煙の予兆
星屑がもたらす、終末