haiirosan's diary

散文とか

モノトーンの季節、水の中の薙刀

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業火の青、火傷に彩られた夏緑
火刑に陥った水面は、未だに翡翠色を保ったまま
左手の釘だけが、眩いほどに鮮やかで――
――宵闇に彼岸花咲き誇り
幸福な副流煙は、酩酊に浸された如月を柔らかに抱擁した__
0.5
0.3
0.1
0.
記憶に収斂されし、鮮烈な水彩画、
木枯らしに滅び去った世界に
幽かな奇数の照光が射し込む。
枯葉、或いは朽ち果てた亡骸に
手向ける造花の花束を求め、彷徨う巡礼者にとって、その光はあまりにも鋭く__
小豆色の入水、水の中の薙刀
それらは滑らかな愛撫と死を刻み、
刻刻と浮游せり鯉は
啄む静脈血を離すことができなかった。
肥大化する喜劇=悲劇を模写したはずの
(彼女)の左手は不規則に震え続けて……
モノトーンを選択してしまった季節に、
空白と暗譜すら忘却した。
車道、昏睡に浸る ルンペンの足跡
口紅と血痕、逆行する手紙
――描かれた極彩色の煉獄すら
モノクロだというのに