haiirosan's diary

散文とか

青ざめたビバークの殺意

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細波が砂時計のように世界を攫ってゆく。
砕けた氷、溶けてしまった紅色の水
救済措置の無い夕刻と海辺、かつての「青」は次々と変異して__
そして、此処には何も無くなった。

青空

空白

 

……あまりにも長い空虚が

時計の針すら混濁させてしまう

__13.5%Vol

リキュールの黄昏漂う暁
千鳥足の迷宮は、其処に彷徨う「怪物」の唸りすら、亡き者へと変換してしまう。
断裂する黒い陽炎

流沙のような血

流砂のような涙

流砂のような骨

少女が閉ざしたままの赤いカーテン

宙空に浮かぶ小さな白い足を、永遠と揺らめかせたまま――

黄昏を這い回る蛇

玉座の死を貪りあった「赤」の数列は瞬く間に青ざめ

折れた剣の贖罪の果ての絞首刑

染みゆく薬液に憐憫の胎児すら無言のまま

滴るX素にのたうち回る玉座の夢

「ゆめ」のなかで裸の王様は永遠と砂漠の水泡に堪えていた

サボテンの快楽/注射器の水分

「いずれにせよ、彼の国には誰もいなかった」

毛皮の鞭に滲む、官能の水彩画

あまりにも着飾り過ぎた王女はどうしても彼を――

蝋燭の炎が一つ、またひとつと掻き消えてゆく

垂れ落ちるアイスクリーム

脳髄染まる着色料

白けた権力 指輪冷めて

首の無い王冠、カーペットに浮游せり水平線。
口紅を見失い、ヘッドライトは無垢な血を選び取る。

罪の色に浸された彼女の眼

罪の意識のメスを刻むベッドの下

不在の神とアリバイのカーテン

左手とダガーナイフは未だに__

季節に取り残された彼岸花は、見えない極寒に自らの身を焦がす。
剥がれた深紅――消えた足跡
ビバークの殺意

赤が青に変異する時、無垢な造花は毒を帯びて彼らを__