haiirosan's diary

散文とか

モノクロームの十字架

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ページの空白、海中の炎
折れた首とペンが世界に潤いを催す。
渦巻くコンタクトレンズ
ブルーレットの境界線、「青」
揺れる大動脈に突き刺さる待ち針
ミシンの奏でるパンクロック
糸、赤い糸は枯れてモノクローム
暖炉から覗く足首の形は__
M O
氷水が空に溶けて
太陽は永遠のアスファルトに幽かな笑みを零した
可憐な凍傷すら、
吹き荒ぶ秋風は
冷凍庫に閉ざされていたはずの南を欠損させ
静かな朝は虹色を帯びてゆく
無軌道に聳え立つ翡翠色の楼閣
(不可視の計略)が回廊を這い回り
車道と1001は炎上と怨嗟を繰り返す
余りにも虚ろな未来は
monochrome
C4の確定性に浸された死すら受け入れ
欠損の神はその名も無き墓標に黒い雨を注いだ
黄昏に讃美歌が漂い
崩れゆく街はモノクロームの十字架を握り締める
__或いは救済の存在する線上
炭化したブランチに葡萄酒の眠り……
白煙漂うプールサイド
渇ききった夢だけが 浮上する終末と化した

#散文詩 #詩 #即興