haiirosan's diary

散文とか

蜂蜜色の黄昏

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紺色飴溶けて曇天
糖度に犯され赤蟻の水死体が、彼方に浮かぶ
平坦な煉瓦をいつまでも糾弾する議会に
首を残した者は誰一人としておらず、唯、その可憐な切り口から血と砂糖を流しつづけている。
「眠り亡き桜の記憶」
水色のスクリーンから零れ落ちて奇数を喪う。
モノクロームの網膜が剥離して)
__静かな
あまりにも静かな朝に__
蝶と花片が混濁して、
春は行方不明のままだ
欠落したブランケット
水面に焼べられた炎
シャーベット、錯乱して
夏の三面鏡に細雪が彷徨う
(秋のオーケストラ、鬱金色)
黄昏に灯されし蝋燭は蜂蜜色を纏い
全ての蟻を浄化した。
やがて襲いくる闇は、炭化した焼死体すら飲みこみ、出口の無い霊安室と、消えた蜜色の光の前に独り佇む。
色彩の漣去って……
月光の残影漂う銀盤
歪みに歪を重ねて、幽かな水色すら侵蝕してゆく。最期の鴉が飛び立つ時
糖度の焼け落ちた硝子が弾けた__