haiirosan's diary

散文とか

崩れ落ちるラストダンス

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 変容を繰り返す黄昏に、暗澹たる針時計は狂うまま――

――然し穏やかに轢断された。
「全容の無い逢魔が時を彷徨う君は、赤いランドセルの巡礼者みたいだね」
そう嘯き肩を叩くのは、いつも夜を纏う異邦人だから……

あの日の色毒に季節は昏倒し、
或る日の色彩に排斥は哀悼すら、瞬く間に「3」の火種へと変換する。
レンズ罅割れ、空は渇ききって、
やがて私の薬指が幽かに痛んで、爪先は救済無き砂漠の色を零す__

青ざめたスクリーンから這いでる6の愛欲に色彩を求める骸骨はその左手を欠落したままに現実と奈落を賛美するがそれでも鏡に写る平行を非難する街の影で資本の宝石は藍色のアスファルトにその平穏と共に散りゆく為にきっと黒猫は深い闇に潜ったまま暖炉の偽証罪と青い炎が消えるのを待ち焦がれている。

夏の光は凍結したバターと心肺を淫らに溶かし

誰もいないアイスリンクに「死の甘味」を注ぐ。
傍観者たちが掲げる0,

崩れ落ちるラストダンスに、ただ無慈悲な摂氏が白昼を炎上させていた。

片足のトゥ―シューズ、血に浸された指先の甘美に狂うのはきっと、

カーテン轢き殺された夕景、首の無いワルツを踊るシンデレラ

或る窓に轢断された夕刻は、時計の針の脈拍を0にした。
咎める神すら不在
狂乱のクランベリー畑と乳母車。
柩へと変換された家屋に忘れし、香水の香りたつ殺人と孤独が

あまりにも無垢な青にアマレットを注ぐ。