haiirosan's diary

散文とか

カステラ滲みる砂場と電気椅子

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深層の洞窟を駆け回るラスコーの亡霊

出口なき迷宮に抱えた首すら諦観を交感する

足切り裂く砂の薔薇、右目切り裂くルイスの剃刀

崩れる教会石化硝子

溶ける十字架茜に染まり

AM.2:00,アスピリンの翠緑は明度を深めて……

攪拌する太陽を人差し指で掻き乱したベッドの下に秘めたマチェット
あまりにも無機質な摩天楼のようなアパート

退屈な蜥蜴……奇数から飛び降りたとき

そこには苦しみの無い快楽と眠りが待っているから――

クリームソーダ狭間、境界線、傷痕の水色

『えほんとなまえのないかいぶつ』

カステラ滲みる檸檬夕景

甘味料と着色料で肥大化した世界に

絵本のラストシーンは血に染まるままに手をふる

ぐりとぐらのきぐるみと歯車欠けた針時計の老爺のロッキンチェアー軋む

仮想紙幣と合衆国の炎上、電気椅子の快楽とブランケットの染みを(添加物)と叫べば

私はわたしのままで絞首刑に手を引かれて、いつかの砂場で笑っている

彼方の終末を描くのはいつも、刹那に消える飛行機雲の絵筆だった
深い蒼に閉ざされし希望

へばりついた酩酊

濁ったままの白い目

鬱屈を剥がす終わりの夢の中ですら、私の左手は血に塗れている……