haiirosan's diary

散文とか

百日紅四二八七

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百日紅のような夢魔が流す血は影色の境界線と
フェンス絡まるサイレンの悲鳴
百日紅誤読重ね薄ぼんやりした視界と
群青のスクリーン――
わたしの血と罪に染まる手すら、
世界を包む、
あまりにも深き断絶に色を喪い、
意味すら失い……
水色の陰翳を白磁の紅色が浮游する。
決して傷むことのない傷に、絆創膏の救命艇が足掻くままに、刹那の中は燃える朝焼けのベッドに眠るふりをした眠れないジルの瞳にいつまでも焦がれていた記憶すら、やがて柔らかに薄れて。
痛み、傷、出血、この先が致命傷にならない傷だとしたら、私はもう――
そして、三番街の幽霊の子どもたちの見えない出血は、無邪気なままに瞬く間に止まり
4月の夢幻は包帯揺らめく春風と共に消えていった。
藍色

四二八七開く
油絵に齎す炎熱も無く
揺らぐさざ波攫う四五九一五六四
うつろなわたしがゆうきてきにしんだとうじょうせんえんせんがいけんがいのよみじでゆれる「彼岸花は」
まぎれもなくうつくしくあなたのようなわたしのれいあんしつのはだをすこしばかりあかくそめたんだ