haiirosan's diary

散文とか

救済なき砂塵と因果律

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終秋のかさぶた曝されて
季節を愛撫する蝉時雨は不協和音を奏でる
茜と鬱金の明度に眼をやられ
盲目の憂鬱が色を亡くして彷徨っていた――
燃えあがる
倫理の造花
色めいて
煙る刹那に
瞳孔開く
第三次の末路は無限の廃墟と温もりなき遺体、彼方のサンスクリット
黄道――血が染みた……
砂塵の鼓動に抱かれゆく大蛇、
毒牙の泉に松葉杖が飾られ、
形骸化した王は
その玉座から動くことは無かった――
夕暮に五線譜融解して
旋律なきファンファーレが
悲鳴と抱擁を交わす4の廃団 地 
拐かされし子どもたちの遊戯は
ピエロの笑みと
ダガーナイフが告げる深紅の終幕――
水中の天鵞絨 琥珀に沈む
乾きゆく沙漠の祈りのような戦火
熱病ト夢
熱病ト夢魔
熱病ト夢中夢
……救済無き因果律が崩壊していけば
きっとこの病も奇数と共に
不可視の砂塵と供に消えてゆくから